インドネシアと日本と

僕は、生まれてこのかた日本とインドネシアでしか生活したことがありません。とりわけ、1997年から初めてインドネシアに住んでいたときは、この国のあれもダメこれもダメと極めて否定的な印象をもったまま1999年に日本に帰国しました。ところが日本に帰ってみれば、結局のところ、程度の差はあれ(色んな点で日本の方が巧妙だけど)どちらの国でもあまり変わらないことが起きていることに気がついて愕然としたものです。

今日も朝日新聞のサイトで「強姦などで服役の男性無実 別の男が容疑認め逮捕 富山」という記事を見て、呆然としました。冤罪は、どうしたって出てこないわけがありません。裁くのは神ではなく人間なのですから。しかし、この件は酷いです。

だって、「1件は男性宅からの電話の発信時刻と犯行時刻が近く、物理的に男性の犯行は難しいことが新たに判明したという。」(強調引用者)って、そんなん新事実な訳なかろう。子供の嘘ぢゃないんだから。更に「県警によると、2件の事件現場にあった靴跡は、男性の靴のサイズより大きかった」って、はちゃめちゃですな。

で、小林勉・県警刑事部長の言葉を又引きすると、「足跡については当時は疑問に思わなかった。男性の逮捕客観的証拠が得られておらず、裏付け捜査が不十分だった。」そうだ。客観的証拠を得なかったのは勿論まずいが、それを得なかったのが「逮捕」のときとしか言っていないのが、なんと言えば良かろうか、狡猾である。裁判が「客観的証拠」を得ないまま行われたかどうかは、不明だからだ。検察の人たちと相談した上での談話なのでしょう。

いや、それでも表沙汰になっただけ、まだ日本の方が良かったのでしょうか?