Usmar Ismail “Lewat Djam Malam”

独立後のインドネシアを代表する映画人ウスマル・イスマイル監督による Lewat Djam Malam という1954年の作品が今、インドネシアの映画館で上映されている。先程、プラザ・スナヤンで鑑賞してきた。映画自体については、Film Indonesiaのデータを参照して欲しい。ジャカルタにいる人は明日にも見に行くべき。

なぜこんなに古い映画をいまさら上映しているかというと、アーカイブにあったフィルムをデジタライズ&修復したからである。修復しきれなかったであろう画像や音の乱れはあったものの、全体としては非常に綺麗になっていて驚いた。他の映画も同様に修復されること、そしてDVDでもBluerayでもいいからデジタルデータが入手できるようになることを望む。

djam(現在の綴りでは、jam)  malam は、「夜間外出禁止令」で、そのままだと「夜間外出禁止令を抜けて」と訳すと格好良い気がするけど、作品中の用例からは「夜間外出禁止令の開始時間を過ぎて」ということになるか。説明調になるが…。ストーリーも興味深く、なにより独立戦争の暗い面を非常にシニカルに描いており、54年の時点でこのような視点があったこと、そしてそれを堂々と映画に出来たことは驚きで、50年代前半のインドネシアに対する見方がちょっと変わった。