Russell Jones (ed.). Loan-words in Indonesian and Malay. KITLV lndonesian imprints. Jakarta: Yayasan Obor Indonesia, 2008. [978-979-461-701-4] という本を見ていたら、中国語起源の言葉はほとんど漢字が付されている一方で、日本語起源の言葉には漢字が付されていない。 例えば kelenteng (中国寺院)は「観音亭」という漢字があり、あぁそうだったのか、と一人膝を叩く。 一方、日本語はこんな具合。 “Kempeitai”(憲兵隊)は勿論のこと “Kenpeiho”(憲兵補)まで載っていることに驚きつつ、”kempo”の説明に、”self-defence”と”constitution”があることから、「拳法」と「憲法」の両方を指していることが分かる。(まさか、自衛隊の存在を揶揄しているわけではあるまい。)となると本来は別の項目になるべきものだ。 KITLVには日本語についてアドバイスできる人はいなかったのかな?
Read Moreなんだかネット上では祭りの様相を呈してきている岡崎市立図書館の事件。朝日新聞の新しい記事によると、図書館長は「(男性の自作プログラムに)違法性がないことは知っていたが、図書館に了解を求めることなく、繰り返しアクセスしたことが問題だ」とか「図書館側のソフトに不具合はなく、図書館側に責任はない」と宣わったらしい。 そのこと自体頓珍漢ではあるものの、個人的には言わば想定内だった。しかし、この件が示しているのは、今後のソフトウェア開発の足枷になるという一次的には開発者にとっての問題以外に、ある程度のコンピュータ、ネットワーク、あるいはITに関するリテラシーがない、あるいはそのリテラシーが欠如していればそれを補う方策を持っていないと極めて面倒なこと、恥かしいこと、危険なことになるということだろう。
Read Moreコンピューター技術、情報ネットワーク技術の発達で、数十年前に比して図書館の利用は格段に容易になった。Webcat plus で大学図書館の蔵書を横断的に検索できたりもする。(ただし、このネットワークに参加している大学だけ。早稲田などは参加してない。)どこの図書館に求めている書籍があるのか、予め確認できるので、無駄足というものがない。図書館に行ってみては、カードを繰り、無駄足だったことに呆然とするという経験をした、僕は最後の世代に属するのではないだろうか。 さて、本題はそこではない。愛知県岡崎市立図書館のウェブサイトにアクセスし、新着図書の情報などを収集するプログラムを書いて実行させた男性を、愛知県警は処理能力を超える要求を故意に送りつけた(「サイバー攻撃」)と判断し、業務妨害容疑で男性を逮捕した。20日間拘留ののち、名古屋地検岡崎支部は6月、「業務妨害の強い意図は認められない」として起訴猶予処分とした。(朝日新聞) これが、例えば、韓国ネチズン(なにそれ?)による2ch攻撃のような、すさまじい「攻撃」だったとすれば起訴猶予で良かったね、ということになるのだが、どうもそうではないらしい。 結論から言えば、男性は「サイバー攻撃」していないし、無実と見做すべきである。にも関わらず、起訴猶予となり犯罪歴が付いたのは、愛知県警の無知、岡崎市立図書館の無為無策、図書館にソフトウェアを納入した三菱電機インフォメーションシステムズ(MDIS)社の無能が原因である。(ちなみに三菱電機インフォメーションシステムズのサイトに、三菱図書館システム MELIL/CS 導入事例:岡崎市立中央図書館がある。そのうち消されるかも。)
Read More“pelecehan seksual”を基本的には「セクシャル・ハラスメント」と理解していたのだが、ここ数ヶ月インドネシアで報じられたバスや電車における痴漢事件を巡る記事を読むと、「痴漢(行為)」の意味でも使われてる。痴漢もセクシュアルなハラスメントではあるから、そりゃそうなのだが、日本語でいうところの「セクハラ」とはまたニュアンスが異なる。 そりゃ「文化」が違うから、だってそうなんだもん的話になってしまうのかな? インドネシアで部下の独身女性に「結婚しないの?」とか、新婚女性に「子供はつくらないの?」と言って、訴えられるというのは想像しがたい。とすると、インドネシア語の”pelecehan seksual”というのはもっと物理的接触を伴う直接的行為のことを指すのだろうか。あるいは前の例よりも、もっと猥褻で直接的言葉を投げかけると”pelecehan seksual”と認定されるのか。 と、こんなことを授業で話しても「セクハラ」になりかねないことは、学内セクハラ委員を務めたことのある知人よりキツく申し渡されているので、ここに書くだけにしておく。
Read More先日、名古屋にて友人より頂いた本。 森山幹弘編『森山式インドネシア語単語頻度順3535』めこん、2009年。[ISBN: 978-4-8396-0227-7] Mikihiro Moriyama, Manneke Budiman (ed.). Geliat Bahasa Selaras Zaman: Perubahan Bahasa-bahasa Di Indonesia Pasca-orde Baru. Tokyo: Research Institute for Languages and Cultures in Asia and Africa, Tokyo University of Foreign Studies, 2010. [ISBN: 978-4-86337-052-4] S. Supomo (ed./trans.) Arjunawijaya: A Kakawin of Mpu Tantular, vol. I: Introduction and Text. The Hague: Martinus Nijhoff, 1977. [ISBN: 90-247-1936-4] S. Supomo (ed./trans.) Arjunawijaya: A Kakawin of Mpu Tantular, vol. II: Translation. The Hague: Martinus Nijhoff, 1977. [ISBN: 90-247-1937-2] 二冊目の本は一般にはGramediaから売られている。
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