インドネシア共和国第四代大統領をつとめたアブドゥルラフマン・ワヒッド大統領(グス・ドゥル)が、一時間ほど前に亡くなった。彼の功罪はこれから問われるべきだろう。金に汚いとかいろいろあったけれども、個人的には好きな人だった。 1980年代の彼の著作はとても刺激的だし、彼の支持母体であり、伝統派イスラム団体としばしば言及されるナフダトゥル・ウラマ NU に、新鮮な(斬新なと言った方が良いかもしれない)風を吹き込んだ。とりわけ彼が進めようとした、社会的に排除されていた元共産主義者(あるいはそう見做された人達)との和解は、評価されるべきである。いつかはインドネシア国内でも評価されるようになってほしい。 今は故人の冥福を祈るばかりである。 (追記)亡き骸はジョンバンに葬られるらしい。
Read More友人のHasta君が知らせてくれた。以下の五冊の本を検察庁が今年中発禁にしたらしい。(リンク先はインドネシア語) Dalih Pembunuhan Massa Gerakan 30 September dan Kudeta Soeharto karangan John Rosa Suara Gereja bagi Umat Tertindas Penderitaan Tetesan Darah dan Cucuran Air Mata Umat Tuhan di Papua Barat Harus Diakhiri karangan Cocratez Sofyan Yoman Lekra Tak Membakar Buku: Suara Senyap Lembar Kebudayaan Harian Rakjat 1950-1965 karya duet Rhoma Dwi Aria Yuliantri dan Muhidin M Dahlan Enam Jalan Menuju Tuhan karangan Darmawan Mengungkap Misteri Keberagaman Agama karangan Syahrudin Ahmad 一冊目と三冊目は共産党関係、二冊目はパプア関係なのである意味何が問題なのか分かる。四・五冊目は宗教関係らしいけど、何が問題なのだろう? 発禁理由は、「公共の安寧を脅かし、1945年憲法とパンチャシラに反する」かららしい。この手の本を好ましからぬものとする人たちは……さて、だあれ? そのうち、共産党とかパプアとかアチェとか東ティモールを研究したり、体制批判したりするとインドネシアに入国できなくなる日が来そうでこわい。 (2009.12.26追記) Kompasにも記事があった。 Tentang Pembredelan Lima Buku oleh Kejagung (24 Des. 2009) Buku-buku Ini Dilarang! (26 Des. 2009)
Read More昨晩は Blok M にて、R大のH先生たちと飲んだ。そこまで行くのだから、Blok M Square にも寄って、古本を漁る。 A. H. Nasution, 1 Oktober 1965 Kebangkitan 1966 Koreksi/Pembaruan/Pembangunan (Beberapa keterangan, ceramah dan dialog dengan generasi muda) (1965 – 1974). Bandung: Ganaco, (1974). [ISBN: n.a.] Soegiarso Soeroyo, Siapa Menabur Angin Menuai Badai (G30S/PKI dan Peran Bung Karno). Edisi Saku, Jakarta: Antar Kota, 1989. [ISBN: n.a.] G-30-S Dihadapan Mahmillub 3 (Djilid I) di Djakarta (Perkara Dr. Subandrio). Jakarta: Pusat Pendidikan Kehakiman A. D., 1967. [ISBN: n.a.] Soekarno, Pidato Presiden Soekarno pada Pembukaan Parlemen Sementara R.I.S. di Djakarta Tanggal 15 Februari 1950. Jogjakarta: Kementerian Penerangan R.I., 1950. [ISBN: n.a.] 一冊目のナスティオンの本は初めて目にした。二冊目と三冊目は既に持っているものよりも状態がずっと良いので確保。最後のは趣味。 で、今日は、早朝よりGrasindoに編集者を訪ねたり、Pusat Dokumentasi Sastra H.B. Jassin に頼んでいたコピーを取りに行ったりした後、Plaza Senayanの紀伊国屋を覗いてみる。
Read More先月末に注文していた本が届いた。一緒に頼んだ「元慰安婦」というオランダ人女性のDVDはオーストラリア外には売れないということだ。残念。 しかし、日本にいながら世界中の本を探して買えてしまうというのは便利な世の中になったものだ。が、本がどんどん増えている…。 Tony Maniaty. Shooting Balibo: Blood and Memory in East Timor. Camberwell: Penguin, 2009. [ISBN: 9780670073580] Michael Charles Williams. Communism, Religion, and Revolt in Banten. Athens: Ohio University Center for International Studies, 1990. [ISBN:0-8960-155-1] A.H. Nasution. Tjatatan Sekitar Politik Militer Indonesia. Djakarta: Pembimbing C.V., 1955. [ISBN: n.a.]
Read Moreジャワの東端バニュワンギという地方に伝わる Genjer Genjer という民謡がある。かつて Lilis Soeryani という歌手が歌い大ヒットした以外に、1960年代にはインドネシア共産党傘下の女性団体(Gerwani)とか農民団体(BTI)などが抑圧される農民の歌として盛んに歌った。そのため、1965年以降の共産党狩り、共産主義からインドネシア共和国を「救った」ことをその正統性の一つとするスハルト政権下では、「共産主義の歌」という烙印を押され長らく「忘却」されていた。 1998年以降、歴史の見直しが曲りなりにも進む中で、この歌についてもあちこちで触れられるようになった。Lilis Soeryani の CD はないようなのだが、おそらくカセットかアナログ・ディスクから採ったmp3音源はネットに転がっている。1960年代に殺された左派女学生が化けて出て復讐するというB級ホラー映画 Lentera Merah にも使われている。 この歌を Dengue Fever というバンドがカバーした。40 Years of Silence: An Indonesian Tragedyという映画の挿入歌らしい。
Read More今日は第二回大統領直接選挙の日。ちょっと遅めに目覚めたが(昨晩のマイケル・ジャクソンの葬儀のせい)、泊らせてもらっている友人宅近くの投票所(TPS)に写真を撮りにいく。
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