資料

研究資料の収集は、このプロジェクトの重要な部分となっています。特に我々が関心を持っているのは、日本占領期の出版物です。これらの研究資料には、まとまったコレクションが少なく、また既存の資料も十分には活用されていないからです。驚くべきことに、日本にはこの時期のインドネシア現地語を用いた定期刊行物の十分なコレクションがありません。この欠損を我々は補う努力をしています。

十分な資料を収集することにより、この貴重な遺産を保存し、我々のプロジェクトで活用すると同時に、復刻版の出版やデジタル版の公開により、過去に関心を持つ研究者や人々が活用できるようにすることを、我々は望んでいます。

以下は、プロジェクト・メンバーが収集した資料の一部です。

  • 新聞
    • Asia Raya(アシア・ラヤ;大アジア)  —  日本軍政期に発行されていたインドネシア語(マレー語)新聞で、この時期の重要な資料の一つです。
    • Kung Yung Pao 共栄報 —  日本軍政期にジャワの華人社会向けに発行されていた新聞で、インドネシア語(マレー語)版と華語版がありました。現在のところ少数のみを入手しています。
    • Soeara Asia(スアラ・アシア; アジアの声) —  日本軍政期にスラバヤで発行されていたインドネシア語(マレー語)新聞ですが、一部のみ入手しています。それでも他の新聞が入手できない時期の情報を補うのに役立つでしょう。
    • 各地の州報 —  州行政府がおよそ週毎に発行していた地方語を用いた州報。多くはジャワ語を用いていたが、マドラ語などその他の言語も用いることがあった。これまでに我々は数十の州報を入手している。
  • 雑誌
    • Pandji Poestaka(パンジ・プスタカ)  —  戦前にバライ・プスタカが発行を始めた雑誌で、占領期にも引き続き出版された。1942-3年の号を相当数収集した。
    • Soeara MIAI  —  戦前1937年に結成されたイスラム組織MIAI(Majelis Islam A’la Indonesia; 全インドネシア・イスラム会議)の発行した雑誌。少数を収集したものの、資料の状態は良くない。
  • その他の資料 —  上記の定期刊行物に加え、占領期のインドネシアにおける出版物を100部ほど収集した。日本やその他地域の出版物も重要であり、戦前・戦後の出版物も我々のプロジェクトには欠かせないが、それでも戦中・占領期の出版物は特別な重要性を持ちます。